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正確(せいかく)に時間(じかん)が合う(あう)という電波時計(でんぱどけい)がありますが、電波とはどういう意味(いみ)ですか?また、どうしてそういうふうに時間が合うのですか?

たしかに「電波時計(でんぱどけい)」といわれても、その仕組み(しくみ)を理解(りかい)している人は少ない(すくない)よね。電波時計は、時計に内蔵(ないぞう)された受信機(じゅしんき)で、正確(せいかく)な時刻(じこく)の信号(しんごう)を受信(じゅしん)して誤差(ごさ)を自動的(じどうてき)に修正(しゅうせい)することができる時計なんだよ。正確な時刻情報(じこくじょうほう)の信号(しんごう)は、標準電波(ひょうじゅんでんぱ)といわれていて、それを受信することから「電波時計」という名前(なまえ)がついているんだ。標準電波は、時刻(じこく)だけではなく周波数(しゅうはすう)の国家標準(こっかひょうじゅん)、国際標準(こくさいひょうじゅん)として日本(にほん)では、独立行政法人情報通信研究機構(どくりつぎょうせいほうじんじょうほうつうしんけんきゅうきこう)が管理(かんり)し、福島県(ふくしまけん)にある「おおたかどや山標準電波送信所(おおたかどやさんひょうじゅんでんぱそうしんじょ)」と佐賀県(さがけん)と福岡県(ふくおかけん)の県境(けんざかい)にある「はがね山標準電波送信所(はがねさんひょうじゅんでんぱそうしんじょ)」から送られて(おくられて)いるんだよ。

この図(ず)のように2つの大きなアンテナで日本中(にほんじゅう)に送られて(おくられて)いるんだよ。もっと詳しく(くわしく)知りたい(しりたい)人は、時(とき)の教室(きょうしつ)の時の理科(りか)「通信総合研究所(つううしんそうごうけんきゅうじょ)」を読んで(よんで)みてね。


アナログ時計(どけい)の針(はり)の重なり(かさなり)順番(じゅんばん)は、どの時計を見ても下から、時針(じしん)、分針(ふんしん)、秒針(びょうしん)となっていますが、どうしてですか?歴史的(れきしてき)理由【りゆう:時針が先(さき)】?、技術的(ぎじゅつてき)理由【作り(つくり)やすい】?、地域的(ちいきてき)理由【全世界(ぜんせかい)の時計屋(とけいや)さん共通(きょうつう)】?、デザイン的理由【秒針をスマートにしたい】?もっとも大きな理由はなんですか?

これは、じつにいい質問(しつもん)ですね。
さて、下から、時針(じしん)、分針(ふんしん)、秒針(びょうしん)となっている理由(りゆう)は「構造上(こうぞうじょう)」の合理性(ごうりせい)によるものなんですよ。時針、分針、秒針で構成(こうせい)される中三針(なかさんしん)の時計は、時針<分針<秒針の順(じゅん)で回る(まわる)スピードが速く(はやく)なります。早く回すと力が弱く(よわく)なるので、軸(じく)の太さ(ふとさ)を細く(ほそく)しなければならないのです。だから、時針、分針、秒針の順で軸がより細くなるように設計(せっけい)されているんです。したがって、同じ(おなじ)軸に取り付ける(とりつける)ためには、時針、分針、秒針の順で組み付ける(くみつける)ようになっているんです。


時計(とけい)キットを利用(りよう)して子どもの工作(こうさく)を作りたい(つくりたい)のですが、秒針(びょうしん)に星(ほし)の付属品(ふぞくひん)をつけたりすると、重み(おもみ)で時間(じかん)が不正確(ふせいかく)になってしまうのでしょうか?また、秒針を外した(はずした)(ところ)に星を取付けても(とりつけても)同じ(おなじ)でしょうか?

時計(とけい)キットを使って(つかって)、オリジナルの時計をつくるなんて、とっても楽しそう(たのしそう)でいいですね。さて、質問(しつもん)の答え(こたえ)ですが、秒針(びょうしん)は小さなモータの力を歯車(はぐるま)に伝えて(つたえて)、作動(さどう)させているので、秒針によけいな物(もの)をつけると、本来(ほんらい)の重量(じゅうりょう)やバランスがくずれてしまい、時間(じかん)が不正確(ふせいかく)になったり、止まったり(とまったり)してしまう可能性(かのうせい)があるんです。秒針の先(さき)に、星(ほし)があってそれが回る(まわる)なんて、とってもすてきだけど、肝心(かんじん)の時間が不正確になってしまっては困っちゃいます(こまっちゃいます)よね。もう一つの方法(ほうほう)の「秒針を外して(はずして)取り付け(とりつけ)」ですが、こちらの場合(ばあい)も、本来(ほんらい)の重量やバランスが異なると(ことなると)正確(せいかく)に作動(さどう)しない可能性(かのうせい)があるんです。時計は、精密(せいみつ)なものですから、装飾(そうしょく)は、時計の文字盤(もじばん)などにとどめておいた方がいいと思います(おもいます)。すてきなオリジナル時計ができ上がるのを期待(きたい)してます。


日付け(ひづけ)をあわせる日針はなんて読む(よむ)のですか。「ヒバリ?」「ニッシン?」広辞苑(こうじえん)に載って(のって)いませんが、時計業界(とけいぎょうかい)だけの用語(ようご)なんでしょうか。

これはおもしろいところに気づきましたね。「日針」を始め(はじめ)とする時計(とけい)の針(はり)の読み方(よみかた)は、ご指摘(してき)の通り(とおり)、時計業界(とけいぎょうかい)だけの用語(ようご)です。しかも、日針の読み方は、知る(しる)限り(かぎり)一定(いってい)ではありません。下に、時計に使われて(つかわれて)いる針の読み方を書いて(かいて)おきましたので、見てみてください。

こうしてみると「しん」と発音(はつおん)しない読み方はないようですので、統一(とういつ)するなら「しん」ではないでしょうか。言いやすさ(いいやすさ)とかが優先(ゆうせん)されているようですので、音訓読み(おんくんよみ)もありますし、日本語(にほんご)の発音では統一はされていないというところです。最終的(さいしゅうてき)に、日針については、「ひしん」で良い(よい)と思います(おもいます)。「にっしん」「にちばり」という読み方はありません。

  はり しん
年針 ねんばり ねんしん
うるう年針 × うるうねんしん
(リープイヤーしん)
月針 × つきしん
日針 ひばり ひしん
曜針 ようばり ようしん
時針 × じしん
分針 × ふんしん
秒針 びょうばり びょうしん

祖母(そぼ)が「狂った(くるった)時計(とけい)のそばに、正確(せいかく)な時計を置いて(おいて)おくと、正確な時計も狂ってしまうから気をつけなさい」と私の息子(むすこ)に言うのですが、正直(しょうじき)とても信じられません(しんじられません)。本当(ほんとう)でしょうか?

これは不思議(ふしぎ)な話だね。ただ考えられる(かんがえられる)のは、機械式時計(きかいしきどけい)が狂う(くるう)原因(げんいん)として強い(つよい)磁気(じき)の影響(えいきょう)があるんだ。そのために、ものすごく強い磁気を浴びて(あびて)、磁石(じしゃく)のようになって狂ってしまった時計なら、もしかして近く(ちかく)に時計を置いて(おいて)おいたら、その磁気の影響(えいきょう)で、狂って(くるって)しまうことも考えられるかも知れない(しれない)よね。


なんで時計(とけい)は12までしか数字(すうじ)がないんですか?

この質問(しつもん)は何度(なんど)もいただく質問(しつもん)なので、詳しく(くわしく)は「時のはてな」の「時計(とけい)」のコーナーを見てね。でも、カンタンに説明(せつめい)しておくね。最初(さいしょ)に暦(こよみ)をつくった古代(こだい)バビロニアの人たちが、12進法(しんほう)という12で繰り上がる(くりあがる)計算(けいさん)方法(ほうほう)を使って(つかって)いたからなんだ。その12進法をもとに、時間(じかん)の単位(たんい)がつくられ、1日は24時間。考え方(かんがえかた)としては12×2[12の倍数(ばいすう)]ということになったんだ。でも今は時計の針(はり)は1〜12に統一(とういつ)されているけれど、昔(むかし)のヨーロッパでは1〜24表示(ひょうじ)のものや、1〜6表示のものもあったんだよ。さらにフランス革命(かくめい)の時には、10進法の時間単位がつくられたこともあったんだよ。でも使いにくいのと、その後(ご)ナポレオンが皇帝(こうてい)になったことで、2年もたたずに廃止(はいし)されてしまったんだ。わかったかな?


工作(こうさく)好きな娘(むすめ)たちから、「1周(しゅう)12時間」以外(いがい)の置き時計(おきどけい)を作りたいとの話があり、そういった時計、たとえば1周1年などが存在(そんざい)するのか、作れるのか教えて下さい。

時計にはいろいろな種類(しゅるい)があって、1周(しゅう)12時間の時計以外(いがい)にもいろいろな時計があるんだ。まずわりとポピュラーなところでは、1周24時間の時計、これはアウトドアウオッチなどに24時針(じしん)がついているのを見たことはないかな?古くは、日本の和時計(わどけい)では不定時法(ふていじほう)という季節(きせつ)(ごと)に1時間の長さが変化(へんか)する時刻制度(じこくせいど)に対応(たいおう)した時計もあり、これは1周12時間ではなかったんだよ。和時計の中でも、万年時計(まんねんどけい)という傑作(けっさく)の時計には、1年間の太陽(たいよう)の動きを再現(さいげん)する機能(きのう)があって、これはまさに1周年時計と言えるんじゃないかな?
それからこれは回る時計ではないけれど、仁摩(にま)サンドミュージアムには1年で砂(すな)が全部(ぜんぶ)落ちる(おちる)という巨大(きょだい)な砂時計(すなどけい)があるんだよ。デジタルの世界(せかい)では、プログラミングで様々(さまざま)なことができるので、たとえば自分の誕生日(たんじょうび)や記念日(きねんび)を毎年(まいとし)教えてくれる時計もカンタンにつくれるかもしれないね。


はじめまして。いつも『ときをまなぼう』のサイトを楽しく(たのしく)拝見(はいけん)させていただいております。私は、現在(げんざい)大学(だいがく)で江戸(えど)および明治(めいじ)時代(じだい)の時報装置(じほうそうち)についての研究(けんきゅう)を行って(おこなって)います。詳しく(くわしく)述べ(のべ)ますと、江戸の時の鐘(かね)や東京(とうきょう)の時計台(とけいだい)および午砲(ごほう)ドンなどが人々の生活(せいかつ)においてどのような役割(やくわり)を果たした(はたした)か、ということに焦点(しょうてん)を当てています。
そこで質問(しつもん)なのですが、今月(こんげつ)の時と時計のはてなの中で東京の時計台の数が「明治期(めいじき)で約(やく)40基(き)、大正期(たいしょうき)で約10基、現在は約150基」あったとの記述(きじゅつ)がありましたが、この調査結果(ちょうさけっか)が詳しく(くわしく)述べられている文献等(ぶんけんとう)ございましたらお教え願えないでしょうか。また、他にも参考(さんこう)になるような資料等(しりょうとう)をお知りでしたら教えていただけると幸いです。

いつも『ときをまなぼう』を見てくれてありがとう。
この間の時計台(とけいだい)の数は、セイコー時計資料館(とけいしりょうかん)にある資料を参考(さんこう)にしたんだよ。その本の名前(なまえ)を書いておくので調べて(しらべて)みてね。

参考文献(さんこうぶんけん)
「明治・東京時計塔記(めいじ・とうきょうとけいとうき)」平野光雄:著(ひらのみつお:ちょ) 1958年 青蛙房:発行(せいあぼう:はっこう)
「時の表情(ときのひょうじょう)」上野秀恒:著(うえのひでつね:ちょ) 1999年 クロック研究所:発行(けんきゅうしょ:はっこう)
セイコー時計資料館には時計に関するものすごく多くの資料があるので、興味(きょうみ)があったらぜひ行ってみてくださいね。

所 在 地 :〒131-0032 東京都墨田区東向島3-9-7
TEL.03-3610-6248
FAX.03-3610-6256
開館時間 :午前10時〜12時 午後1時〜4時
館内を説明員がご案内いたします。ご来館にあたってはご予約ください。
休 館 日 :日・月曜、祝祭日、年末年始 
入 館 料: 無 料


目覚まし時計(めざましどけい)のアラームはなぜ鳴る(なる)のですか?あと、スヌーズ機能(きのう)の仕組み(しくみ)についても教えて(おしえて)ください。

これはずいぶんと専門的(せんもんてき)な質問(しつもん)だよね。そこで目覚まし時計(めざましどけい)をたくさん作って(つくって)いるセイコークロック株式会社(かぶしきかいしゃ)の方に教えて(おしえて)もらったので、説明(せつめい)するね。
まず、目覚まし時計を大きく分類(ぶんるい)すると「デジタル目覚まし」と「アナログ目覚まし」の2種類(しゅるい)になるんだ。デジタル目覚ましは、基本的(きほんてき)には「CPU(シーピーユー):中央演算装置(ちゅうおうえんざんそうち)」と呼ばれる(よばれる)小さな頭脳(ずのう)にプログラミングされた処理(しょり)を実行(じっこう)することで、プログラムによりアラーム及び(および)スヌーズの機能(きのう)がコントロールされているんだよ。

一方(いっぽう)、アナログ目覚ましは機械体(きかいたい)内部(ないぶ)の歯車(はぐるま)を回転(かいてん)させることにより、長針(ちょうしん)と短針(たんしん)を動かして(うごかして)いて、この歯車に「カム」という部品(ぶひん)が結合(けつごう)され、カムが上下することにより電気信号(でんきしんごう)を遮断(しゃだん)したり伝達(でんたつ)したりしているんだ。アナログ目覚ましは、一般的(いっぱんてき)に12時間制(じかんせい)なので1日に2度(ど)カムが上下することになるんだ。スヌーズに関して(かんして)は、アナログ目覚ましもデジタルと同様(どうよう)に「IC(アイシー):集積回路(しゅうせきかいろ)」内(ない)にタイマーがあり、一旦(いったん)止めても(とめても)一定時間後(いっていじかんご)に再度(さいど)鳴る(なる)よう設定(せってい)されているんだよ。

*カムと歯車(はぐるま)及び(および)電気信号(でんきしんごう)の説明(せつめい)

通常(つうじょう)、カムは歯車の上に乗り上げた(のりあげた)状態(じょうたい)となっており、電気接点(せってん)がはなれ信号(しんごう)が遮断(しゃだん)されています。歯車は、時間(じかん)とともに回転(かいてん)し12時間に一回(かい)だけ歯車の溝(みぞ)にカムの突起部分(とっきぶぶん)が落込み(おちこみ)ます。この状態(じょうたい)で電気接点が接触(せっしょく)し電気信号が伝達(でんたつ)されることにより、アラームが鳴り出し(なりだし)ます。

・鳴らない(ならない)状態(じょうたい) /カムが上がっていて電気信号(でんきしんごう)が遮断(しゃだん)されている

・鳴る状態/カムが下がっていて電気信号が伝達されている


時計塔(とけいとう)について調べて(しらべて)いる者です。時計塔の文字盤(もじばん)には、たいていガラス[風防(ふうぼう)]がついていませんが、なぜなのでしょうか。やはり、構造上(こうぞうじょう)無理(むり)なのでしょうか。理由(りゆう)を教えて(おしえて)ください。

よく時計塔(とけいとう)を観察(かんさつ)しているね。確かに(たしかに)時計塔には、ガラスがついていないものが多いよね。いちばんの理由(りゆう)は、時計塔は屋外(おくがい)に設置(せっち)されるために、ガラスの風防(ふうぼう)をつけた場合(ばあい)に、汚れ(よごれ)がつきやすく、その保守(ほしゅ)に手間(てま)がかかるということなんだ。高いところにあるから、掃除(そうじ)をするのも危険(きけん)がともなうしね。時計塔は遠くから見ても今の時刻(じこく)が正確(せいかく)にわかることがいちばんの目的(もくてき)だから、その時計のガラスが汚れていては、役(やく)に立たないからね。それから、ガラスで覆って(おおって)しまうことで太陽(たいよう)の光で反射(はんしゃ)して、時刻がわからなくなるということもあるよね。そういった理由から、時計塔には風防がつけられていないんだ。


(むかし)は、東京(とうきょう)にも時計台(とけいだい)がたくさんあったと聞きました(ききました)が、今はどれくらいあるのですか?時計台の時間(じかん)はどこに合わせて(あわせて)いるのですか?昔と今では違う(ちがう)のですか?(MLTR)

セイコー時計資料館(とけいしりょうかん)の調べ(しらべ)によると、東京(とうきょう)の時計台(とけいだい)の数(かず)は、明治期(めいじき)で約(やく)40基(き)、大正期(たいしょうき)で約10基、現在(げんざい)は約150基となっているんだ。これは、時計台、時計塔(とけいとう)といった形状(けいじょう)にとらわれず公共(こうきょう)の公園(こうえん)や建物(たてもの)などの公共時計(こうきょうどけい)全般(ぜんぱん)としての数字(すうじ)なんだよ。
大正期に、時計台の数が急(きゅう)に減って(へって)いるのは関東大震災(かんとうだいしんさい)によって、多く(おおく)の時計台、時計塔が崩壊(ほうかい)してしまったからなんだ。

現在のこうした時計台(とけいだい)の時計の時刻(じこく)の合わせ方(あわせかた)は、機械式時計(きかいしきどけい)の場合(ばあい)には、公的(こうてき)な「報時(ほうじ)」によって時刻合わせを行い、水晶時計(すいしょうどけい)の場合は「報時情報(じょうほう)」を電話回線(でんわかいせん)や、無線(むせん)などで受信(じゅしん)して、自動的(じどうてき)に時刻合わせを行っているんだよ。
このサイトでも何度(なんど)か紹介(しょうかい)している東京(とうきょう)の銀座(ぎんざ)4丁目(ちょうめ)にある有名(ゆうめい)な「和光(わこう)」の時計塔(とけいとう)も、今まで東京の調布(ちょうふ)の通信総合研究所(つうしんそうごうけんきゅうじょ)から電話回線で送られて(おくられて)くる信号(しんごう)で調節(ちょうせい)していたけれど、2004年の11月26日からは、時刻合わせを衛星利用測位システム[えいせいりようそくいシステム:GPS(ジーピーエス)]で行えるようになったんだよ。見た目には昔(むかし)から変わって(かわって)いないけれど、中身(なかみ)は最先端(さいせんたん)の技術(ぎじゅつ)でつねに進化(しんか)しているんだよ。


いま、壁掛け時計(かべかけどけい)と腕(うで)時計、置き(おき)時計の中ではどれが人気(にんき)ですか?「時を学ぼう」でみたのですが、時そば[落語(らくご)]をみました。ほかに、時計・時などを題材(だいざい)にしたおもしろい話があったら教えて(おしえて)下さい。時計の作り方(つくりかた)を教えてください。また、作るときの工夫(くふう)や苦労(くろう)はありますか?(時田彩音さん/小学5年生)

いろいろな質問(しつもん)ありがとう。ひとつひとつ答えて(こたえて)いくね。

◎壁掛け時計と腕時計、置き時計の中ではどれが人気ですか?

これはなんと言っても「腕時計(うでどけい)」がいちばんなんだよ。掛け時計(かけどけい)や置き(おき)時計は家に置いて「時間(じかん)を知る(しる)」ために利用(りよう)されるんだけど、腕時計は「時間を知る」という機能的(きのうてき)なことだけじゃなくて、ファッションの一部(いちぶ)として使われて(つかわれて)いるんだよ。だから、遊び(あそび)の時、ビジネスの時など使い分けたり(つかいわけたり)している人も多い(おおい)んだよ。だからいろいろなデザインの腕時計がたくさん売れて(うれて)いるんだよ。

◎時計・時などを題材にしたおもしろい話があったら教えて下さい。

時に関する(かんする)話では、下記(かき)のコーナーにたくさんお話しがのっているので是非(ぜひ)見てみてね。
時計と人[時や時計に関わる(かかわる)人たちの物語(ものがたり)
時とくらし[暮らし(くらし)の中の時や時計に関する疑問(ぎもん)などを楽しい(たのしい)イラストとともに説明(せつめい)]それから、時の図書(としょ)の中にも「時計」や「時」をテーマにしたおもしろい本がたくさんあるから見てみてね。

◎時計の作り方を教えて下さい。また、作るときの工夫や苦労はありますか?

時の資料館(しりょうかん)に「時計工場(とけいこうじょう)いま・むかし」と題して(だいして)、時計がどのような工程(こうてい)で作られているか説明(せつめい)しているよ。貴重(きちょう)な昔(むかし)の写真(しゃしん)もいっぱいあるからね。それから「機械式時計(きかいしきどけい)を組み立て(くみたて)よう1・2では、実際(じっさい)に順(じゅん)を追って(おって)部品(ぶひん)を組み立てることができるよ。とても楽しい(たのしい)から是非(ぜひ)やってみてね。時計を作るには、さまざまな作業(さぎょう)があって、多く(おおく)の人が時計作りに携わって(たずさわって)いるんだ。それぞれに苦労(くろう)があるけれど、時計をしてくれる人が、その時計を大事(だいじ)に使って(つかって)くれるようにと、一つひとつ大切(たいせつ)に作っているのが全員(ぜんいん)の思い(おもい)なんだ。


世界(せかい)で最初(さいしょ)に作られた(つくられた)時計(とけい)は、どのようにして時間(じかん)を設定(せってい)したのですか?最初に時間(じかん)が決まって(きまって)いて、その時間に時計を合わせた(あわせた)のか、最初に時計みたいなものができていて時間を決めたのか、わかりません。
この疑問(ぎもん)を調べる(しらべる)方法(ほうほう)が僕(ぼく)にはわからないのでどうか教えて(おしえて)ください。

この質問(しつもん)はとてもおもしろいね。よく言う(いう)「たまごが先(さき)か、ニワトリが先か?」という質問のようだね。
これもよく言われるけれど、時計(とけい)はあくまでも、人々(ひとびと)が時間を共通(きゅうつう)のものとして使う(つかう)ためのものさしなんだ。時計というものさしができる前から、人々が集団(しゅうだん)で暮らす(くらす)ようになると、太陽(たいよう)の位置(いち)とかそういったものからある程度(ていど)の時間(じかん)感覚(かんかく)というものを持つ(もつ)ようになったんだよ。「太陽(たいよう)が真上(まうえ)に来たら」とか「太陽が東(ひがし)の山から顔(かお)を出したら」と言ったような約束(やくそく)の仕方(しかた)だと思う(おもう)んだけどね。そうして漠然(ばくぜん)とした集団(しゅうだん)の中での時間のものさし[尺度(しゃくど)]ができていったんだ。日時計(ひどけい)などの発明(はつめい)は、そのあいまいな時間の尺度をよりはっきりとさせるためのものだったんじゃないかな。今では世界標準時(せかいひょうじゅんじ)というものがあって、世界中の時間が統一(とういつ)されているかのように見えるけれど、ちょっと前までは国でも、地方(ちほう)によっても時間はバラバラだったんだよ。


クオーツ時計(どけい)って何(なに)がすごいの?水晶(すいしょう)を使ったら(つかったら)どうして正確(せいかく)な時間(じかん)がわかるようになったんですか?難しい(むずかしい)原理(げんり)ではなく、カンタンにわかりやすくクオーツ時計ができて時計の何が変わった(かわった)のか教えて(おしえて)ください。

クオーツ時計(どけい)の登場(とうじょう)でいちばん変わった(かわった)のは、時計の精度(せいど)だね。それまでの一般的(いっぱんてき)な機械式時計(きかいしきどけい)よりずっと正確(せいかく)になったんだ。それから電子化(でんしか)によって部品数(ぶひんすう)が減り(へり)、また特殊(とくしゅ)な技術(ぎじゅつ)を持たなくても(もたなくても)時計を製造(せいぞう)することができるようになって、大量生産(たいりょうせいさん)され、時計の価格(かかく)がいっきに下がったんだよ。そしてクオーツはどんどんと小型化(こがたか)され、冷蔵庫(れいぞうこ)や電子(でんし)レンジなどいろいろな生活機器(せいかつきき)の中に組み込まれる(くみこまれる)ようになったんだ。


フランシスコ・ザビエルが日本(にほん)に時計(とけい)を伝えて(つたえて)から、日本にどのような影響(えいきょう)があったのですか?

フランシスコ・ザビエルは、もともとキリスト教(きょう)の布教活動(ふきょうかつどう)のために日本(にほん)にやってきたんだよ。時計(とけい)を始め(はじめ)とするおみやげで、気に入られた(いられた)ザビエルは、それをきっかけに、日本での布教活動を本格化(ほんかくか)させて、九州(きゅうしゅう)を中心(ちゅうしん)に、でキリスト教がものすごい勢い(いきおい)で広がって(ひろがって)いったんだよ。そのために、ヨーロッパ人宣教師(せんきょうし)の数(かず)がたりなくなってしまい、日本人宣教師を育て(そだて)なければならなくなったんだ。各地(かくち)に伝道学校(でんどうがっこう)や、大学(だいがく)、中・高等学校(ちゅう・こうとうがっこう)、そして職業学校(しょくぎょうがっこう)が建てられた(たてられた)んだ。その職業学校で、日本人は西洋(せいよう)の時計作り(とけいづくり)を学ぶ(まなぶ)ことになり、それを学んだキリスト教徒(きょうと)が、また日本人の鍛冶職人(かじしょくにん)などにその技術(ぎじゅつ)を伝える(つたえる)ことで、日本各地で時計が作られるようになり、時計作りがはじまったんだよ。つまり、時計づくりをはじめとするヨーロッパの技術が広く日本に広まったということなんだよ。


砂時計(すなどけい)について調べて(しらべて)いるんですけどネットではうまく見つけられません。見たことのあるサイトばかりが出てきてしまいます。なにかいい方法(ほうほう)&いいサイトはありますでしょうか?

「粉(こな)の世界(せかい)」というホームページの中にある「粉の世界(3)の砂時計(すなどけい)」(http://www.f5.dion.ne.jp/〜yshiwa/hourglass/hgmenue.htm)には、砂時計のいろいろなことがじつに詳しく(くわしく)載って(のって)いるので、是非(ぜひ)見てほしいな。質問(しつもん)も受け付け(うけつけ)ているので、何か(なにか)わからないことがあったら聞いて(きいて)みるといいよ。


時計(とけい)を使わない(つかわない)で正確(せいかく)に正午(しょうご)を知る(しる)方法(ほうほう)はありますか?教えて(おしえて)ください。

時計(とけい)を見ないでということで言えば(いえば)、ラジオやテレビの時報(じほう)や、電話(でんわ)の時刻(じこく)案内(あんない)を利用(りよう)するという方法(ほうほう)があるよね。でもこれだと間接的(かんせつてき)に、正確(せいかく)な時計を利用していることになるからちょっと斉藤さんが思って(おもって)いるのとは違う(ちがう)のかな?
今のように誰(だれ)もが、正確な時計をもっているのとは違って、時計がなかった時代(じだい)、時計があまり正確ではなかった時代には、正確な時間を知る(しる)ことはできなかったんだよ。でもね、普段(ふだん)の生活(せいかつ)で、1秒(びょう)とか1分(ぷん)単位(たんい)で細かく(こまかく)スケジュールをたてている人はいないから、それほど、正確でなくてもだいたいの時間がわかるぐらいで大丈夫(だいじょうぶ)なんだよ。最近(さいきん)では、時計やスケジュールにしばられず、自然(しぜん)のリズムのままに暮らす(くらす)というライフスタイルも見直されて(みなおされて)いるしね。


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