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大木トオル:著(おおきトオル:ちょ)
マガジンハウス:出版(しゅっぱん)
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セラピードッグとは人の弱った(よわった)心(こころ)と体(からだ)をいやす犬たちのこと、この本は、1匹(ぴき)のセラピードッグ「チロリ」の実話(じつわ)なのである。この本の作者(さくしゃ)は大木(おおき)トオルさん、日本人(にほんじん)のブルースシンガーとして初めて(はじめて)アメリカの労働省(ろうどうしょう)の認可(きょか)を受けて(うけて)、アメリカで活動(かつどう)し、有名(ゆうめい)なブルースミュージシャンと共演(きょうえん)し、数々(かずかず)のレコードをリリースしたというものすごいミュージシャンなのである。
そんな大木さんは、ニューヨークで暮らして(くらして)いる時に、セラピードッグが、病気(びょうき)になった人たちに生きる(いきる)意欲(いよく)を起こさせ(おこさせ)、また犬に触れる(ふれる)ことで、病状(びょうじょう)が良く(よく)なるといった奇跡(きせき)を見て感動(かんどう)し、自分(じぶん)もセラピードッグを広める(ひろめる)活動を始めることにしたのである。アメリカでの活動を始め(はじめ)、日本にも広めようと思って(おもって)いた時にこの本のタイトルとなっている「名犬チロリ」と出会った(であった)のである。
本の表紙(ひょうし)写真(しゃしん)を見ていただけるとわかると思うのだが、諸君(しょくん)の中には、この片耳(かたみみ)がたれた雑種(ざっしゅ)の犬のどこが名犬(めいけん)なの?と思った(おもって)人もいるのではないかな?そう思った人は、この写真の「チロリ」の目をじっと見て欲しい(ほしい)のである。その目に何とも(なんとも)言えない(いえない)優しい(やさしい)光(ひかり)が宿って(やどって)いるのに気づくはずである。この本の中には、その「チロリ」が実際(じっさい)に起こした(おこした)奇跡的(きせきてき)な出来事(できごと)がいくつも載って(のって)いるのである。「チロリ」はもともとは、捨て犬(すていぬ)で、保健所(ほけんじょ)に保護(ほご)されて、もう少し(すこし)で殺されて(ころされて)しまうところを大木(おおき)さんに救われた(すくわれた)のである。捨て犬になる前も、捨て犬になってからも、人間(にんげん)にひどい扱い(あつかい)を受け(うけ)、いじめられたというのに、「チロリ」はその人間たちに、自分(じぶん)の持って(もって)いるすべての力を使って(つかって)、いやしを与えて(あたえて)いるのである。これだけで、我が輩(わがはい)は涙(なみだ)がでてきてしまうのである。それだけ感動(かんどう)のつまった良い(よい)本である。是非(ぜひ)、諸君(しょくん)も読んで(よんで)ほしいのである。
最後(さいご)に、犬は、人間(にんげん)に比べ(くらべ)約(やく)4倍(ばい)のスピードで、歳(とし)をとっていくのである。長く(ながく)生きても(いきても)20年という短い(みじかい)時間(じかん)の中で、セラピードッグだけでなく、犬たちは、その命(いのち)の限り(かぎり)、人々(ひとびと)にいろいろないやしを与えて(あたえて)くれるのである。犬や他(ほか)の動物(どうぶつ)と過ごす(すごす)ことは、その命と向き合う(むきあう)こと。諸君(しょくん)も同じ(おなじ)一つの命についてしっかりと考え(かんがえ)、ともに楽しく(たのしく)かけがえのない時間(じかん)を過ごして(すごして)ほしいのである。
さて、この「名犬(めいけん)チロリ〜セラピードッグが「奇跡(きせき)」を起こす(おこす)〜」を原作(げんさく)した映画(えいが)「犬と歩けば(あるけば) チロリとタムラ」は現在(げんざい)全国(ぜんこく)の映画館(えいがかん)を巡って(まわって)いる最中(さいちゅう)なので、近く(ちかく)に来たら是非(ぜひ)見てほしいのである。
※上映館(じょうえいかん)情報(じょうほう)は
→ 「犬と歩けば」公式(こうしき)ホームページ
※セラピードッグについて知りたい(しりたい)人は
→ 国際(こくさい)セラピードッグ協会(きょうかい) |