動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)は、時間がわかるの?
これは、動物や植物の中にある遺伝子(いでんし)に、サーカディアンリズムと言われる時間のサイクルの情報(じょうほう)が組み込まれて(くみこまれて)いるんだ。動物や植物は、時計がなくても、自分たちの体の中にある時計のリズムにしたがって暮らし(くらし)ているんだよ。もちろん人間も大昔(おおむかし)はこのリズムにそって暮らしていたんだ。


ペットとか、へやのなかで飼われて(かわれて)いる動物(どうぶつ)って、どうやって時間(じかん)がわかるの?

たしかに、へやの中で飼われて(かわれて)いる動物(どうぶつ)は、そとにいる動物よりも、お日さまがでたり、沈んだり(しずんだり)ということがわかりにくいよね。家(いえ)にいる人がおきていればずっと、電気(でんき)がついていて、明るい(あかるい)からね。 人間の場合(ばあい)、だいたい24〜25時間のサイクルで、体のリズムができているんだ。これをサーカディアンリズムといって、体の中にある時計のようなものなんだ。

このリズムは、人間(にんげん)が地球(ちきゅう)の自転(じてん)による昼(ひる)と夜(よる)のくりかえしの中で進化(しんか)してくるうちに、遺伝子(いでんし)の情報(じょうほう)として脳(のう)の中に組み(くみ)こまれたと言われているんだ。 その人間と同じように、動物たちもサイクルの長さ(ながさ)は違って(ちがって)も、サーカディアンリズムがあるんだ。だから、家の中で飼われている動物たちも、そのサーカディアンリズムによって、時間にそって自然(しぜん)と暮らして(くらして)いるんだ。でも、あまり夜型(よるがた)の生活(せいかつ)をつづけていると、このリズムが狂って(くるって)しまうことがあるから、眠たそうにしているなペットをむりやりおこして、遊んだり(あそんだり)するのは、避けた(さけた)ほうがいいかもね。


(あさ)と昼(ひる)に行動(こうどう)する動物(どうぶつ)と、夜(よる)に行動(こうどう)する動物がいるのはどうして?

この質問(しつもん)は、生物(せいぶつ)の進化(しんか)とすごくかかわっているんだよ。この地球上(ちきゅうじょう)に生命(せいめい)があらわれたころは、今よりもずっと昼と夜の差(さ)がはげしかったんだ。そのころ、弱い(よわい)生物たちは、太陽(たいよう)からふりそそぐ紫外線[しがいせん:日焼け(ひやけ)などの原因(げんいん)になる太陽からの光にふくまれる光で、多量(たりょう:たくさん)に浴びる(あびる)と遺伝子(いでんし)に異常(いじょう)をおこす]をさけて、夜の世界(せかい)にくらさなければならなかったんだ。

そうやって、生きのびた生物が進化をするうちに夜の世界から、昼の世界へと活動(かつどう)の場所(ばしょ)をひろげていったんだ。原始的(げんしてき)な動物ほど、夜に行動するものが多いのはそのせいなんだ。つまり、夜行性(やこうせい)の動物たちの中には、このころの先祖(そせん)たちの遺伝子が組み(くみ)こまれているからということになるんだ。

その他にも、夜に行動する生物にとっていいことは
1)昼間に活動する多くの競争相手(きょうそうあいて)の動物をさけることができ、えさを得(え)やすい。
2)他の動物におそわれる確率(かくりつ)が低く(ひくく)なる。
3)体の乾燥(かんそう)を最小限(さいしょうげん)にとどめることができる。

というように生物的(せいぶつてき)に弱い動物たちにとっては、いいことが多いんだ。地球上の生命は、カンタンなものからはじまって長い間(あいだ)かかってだんだんいろいろな環境(かんきょう)にあったものが進化(しんか)してきた。生物の世界では生き物どうしが、たがいに食べたり食べられたりの関係(かんけい)になっていて、共存(きょうぞん)している。
この地球を大切(たいせつ)にして、毎日(まいにち)を一生懸命(いっしょうけんめい)生きなきゃいけないね。


サーガディアンリズムの狂って(くるって)しまった動物(どうぶつ)のリズムを直す(なおす)のにはどうしたらいいの?

サーカディアンリズムに大きな影響(えいきょう)をあたえているのは、太陽(たいよう)の光(ひかり)なんだよ。だから、サーガディアンリズムの狂って(くるって)しまった動物のリズムを取り戻す(とりもどす)ためには、太陽の動き(うごき)にあわせた生活(せいかつ)をさせるのがいいんだよ。とくに動物の場合(ばあい)は、夜行性(やこうせい)の動物なら、昼間(ひるま)はそっとしておくことも大切(たいせつ)だね。このサーガディアンリズムを直す(なおす)方法(ほうほう)は、人の場合にも言えることなんだよ。


動物(どうぶつ)のサーガディアンリズムも25時間(じかん)なの?

動物(どうぶつ)も人間(にんげん)と同じ(おなじ)25時間というサーカディアンリズムをもっているんだよ。光(ひかり)の影響(えいきょう)を受けない(うけない)場所(ばしょ)で生活(せいかつ)させることによって、脳(のう)の中にもっている本来(ほんらい)のサーガディアンリズムである25時間の周期(しゅうき)になることが実験(じっけん)で証明(しょうめい)されているんだ。


うちはハムスターを飼って(かって)いるのですが夜(よる)になってもなかなか起きて(おきて)きません。
これはサーカディアンリズムが狂って(くるって)しまっているんでしょうか?

ハムスターは夜行性(やこうせい:夜行動する性質)なんだ。ハムスターはだいたい1日に18時間ぐらいは寝る(ねる)んだよ。しかも、昼間(ひるま)はほとんど寝ていて夜から明け方(あけがた)にかけて動き(うごき)だすんだ。

ということは1日に6時間ぐらいしか起きている時間がないから、みんなが起きている時間には、ハムスターが起きているってことはあまりないかもしれないね。でも、いっしょに遊び(あそび)たいからといって、むりやり起こしたりするとハムスターはめいわくに思う(おもう)から気をつけてね。