さあ〜て、元気(げんき)にはじめるぞぉ。注目(ちゅうもく)!
今回(こんかい)は「冒険と腕時計(ぼうけんとうでどけい)」の第4回目(だい4かいめ)だぞぉ。
前回(ぜんかい)のアルピニスト野口健(のぐちけん)さんとランドマスターサガルマータのお話(はなし)はどうだったかな?問題児(もんだいじ)だった野口さんが、植村直己(うえむらなおみ)さんの本(ほん)と出会った(であった)ことで、登山(とざん)をはじめものすごい記録(きろく)をうちたてたなんて、なんか不思議(ふしぎ)だよなぁ。

さて、今回は海の冒険にいくぞぉ。無酸素(むさんそ)ダイビングの世界記録(せかいきろく)を作った(つくった)ピピン・フェラレススキューバマスターPIPIN(ピピン)のお話だぞぉ。

まずはいつものようにピピン・フェラレスの人となりからいってみようか。
ピピンは1962年1月18日キューバに生まれた(うまれた)。
海に潜る(もぐる)ことをはじめたのはわずか4才。それは遊び(あそび)ではなく、生活(せいかつ)のために海に潜って魚(さかな)を捕って(とって)いたんだぞぉ。
そして魚を追い(おい)かけているうちに、だんだんと海の深い(ふかい)ところまで潜るようになっていったそうだ。
1967年にはじめてフリーダイビングに挑戦(ちょうせん)して、ノーリミッツ・ヴァリアブル・フリーダイビングという分野(ぶんや)で世界記録を作って(つくって)しまったというものすごい人物(じんぶつ)なんだ。

ここで、フリーダイビングの種類(しゅるい)について説明(せつめい)しておくぞぉ。フリーダイビングには、3つ種類があるんだ。
まず、潜る時も、浮き(うき)あがる時も自分(じぶん)の手(て)と足(あし)だけを使って(つかって)するコンスタント・フリーダイビング。
それから、おもりを使って潜り、ロープなどを利用(りよう)して自分で泳いで(およいで)浮き上がるヴァリアブル・フリーダイビング。
そしてピピンが世界記録をもっているのが、ノーリミッツ・ヴァリアブル・フリーダイビングと言われるもの。これはおもりを使って潜り、浮き上がる時には、ブイなどすばやく浮き上がる道具(どうぐ)を使うんだ。これは3つの中では、はげしい水圧(すいあつ)の変化が短い(みじかい)間におきるために、深く潜ることはできても、一番(いちばん)危険(きけん)がともなうんだぞぉ。

ピピンは2000年の1月18日に、メキシコのコスメルで水深(すいしん)162メートル、潜水時間(せんすいじかん)3分12秒という世界新記録を作っているんだ。
ピピンの記録については、セイコーのホームページに詳しく(くわしく)のっているので見てくれよなぁ。
http://www.seiko-corp.co.jp/nihongo/seihin_joho/seikospo/pipininfox.htm

この162メートルという記録もすごいけれど、ピピンの体(からだ)を調べて(しらべて)いる医学(いがく)チームによると彼の体の能力(のうりょく)であれば300メートルまで潜れるだろうとのこと。信じられないよなぁ。
でも彼は、陸上(りくじょう)では1分間に70回の心拍数(しんぱくすう/心臓(しんぞう)が動く回数(かいすう))なのだが、潜っている時にはたったの9回、一番深く潜った時には4回以下にすることができると言っているんだ。
すごすぎるよなぁ。


そのピピンが、海に潜る時に愛用(あいよう)しているのが、セイコーのスキューバマスターのピピンシリーズなんだ。ピピンのフリーダイビングの経験(けいけん)から出たさまざまな意見(いけん)をもとに、作られたまさに記録へ挑戦(ちょせん)するための信頼(しんらい)と精度(せいど)をそなえたプロのための腕時計なんだぞぉ。
ピピンはこの腕時計について「ピピンシリーズは自分自身(じぶんじしん)と一体化(いったいか)しているようだ。海中(かいちゅう)でも正確(せいかく)で、電池交換(でんちこうかん)が不要(ふよう)だから環境(かんきょう)も汚さない(よごさない)。タフで堅牢(けんろう)なシェイプも気に入っているよ。」と言って信頼をおいておるんだ。

さらに、2001年4月の「時の未来星(ときのみらいぼし)」でも紹介した「ダイビングコンピュータ」にもピピン・フェレラス マリーンマスターモデルというのがあるんだぞぉ。
こうしたダイバーズウォッチなどの開発(かいはつ)には、実際(じっさい)に使う人たちの意見を聞く(きく)、そして使ってもらうことがなによりも大切(たいせつ)なことなんだ。
机(つくえ)の上やコンピュータを使っての計算だけでは、わからないものを彼らは体験(たいけん)したり、感じたり(かんじたり)しているからね。

さて、このスキューバマスターPIPIN(ピピン)は、イルカをモチーフに作られているそうなんだ。
ピピンは今、フロリダのとある島(しま)に住み(すみ)、海に潜ってイルカと遊んで(あそんで)いるんだ。
海の中でイルカとコミュニケーションをとることで、海のすばらしいエナジー(エネルギー)を感じることができると言っているんだ。なんかすてきだよなぁ。

ということで、今回はここまで。
この「冒険と腕時計の話」は、次回(じかい)は2001年7月の「夏の時の教室(なつのときのきょうしつ)」だぞぉ。
それじゃぁ、またなぁ。みんな元気(げんき)でなぁ。

参考文献/セイコーホームページ・グッズプレススペシャル「THE SEIKO BOOK」

2001年5月号