さあ、今回(こんかい)も元気(げんき)にはじめるぞぉ。注目(ちゅうもく)!
今回は「冒険と腕時計(ぼうけんとうでどけい)」の第3回目(だい3かいめ)だぞぉ。
日本(にほん)が世界(せかい)にほこる冒険家の植村直己(うえむらなおみ)さんとセイコーダイバーの話(はなし)はどうだったかな?
今回もわくわくするような冒険と腕時計のお話をみんなにとどけるぞぉ。

今回はコーヒーのCM(シーエム/テレビコマーシャル)でもおなじみのアルピニスト野口健(のぐちけん)さんと、ランドマスターサガルマータのお話だぞぉ。

まずは、いつものように野口健さんがどんな人なのかを紹介(しょうかい)しょうと思う(おもう)んだけど、その前(まえ)にアルピニストという聞き(きき)なれない言葉(ことば)の意味(いみ)からいってみようか。
きっとCMのナレーションを聞いて不思議(ふしぎ)に思っているお友だちも多い(おおい)んじゃないかなぁ。アルピニストとはカンタンに言うと「雪(ゆき)や氷(こおり)におおわれたアルプスの高い(たかい)山(やま)を登る(のぼる)」登山家(とざんか)たちのことをそう言うんだぞぉ。それならふつうにただの登山家と言えばいいのに、なんでそんなにむずかしい言い方をするのと言う人も多いと思うけれど、このアルピニストと言う言葉は、ヨーロッパで生まれ(うまれ)、その言葉のうしろには山登り(やまのぼり)についてのアルピニズムという深い(ふかい)深い哲学(てつがく)がかくれているんだぞぉ。

そのアルピニスト野口健さんについて話していくぞぉ。

野口健さんは1973年、アメリカのボストン生まれ。
史上最年少(しじょうさいねんしょう)の22才(さい)で7大陸(たいりく)の最高峰(さいこうほう)を制覇(せいは)し、登山をはじめて10年目で、ついに世界の最高峰(さいこうほう)であるエベレスト(ネパール名(めい):サガルマータ)の頂上(ちょうじょう)を極めた(きわめた)というものすごい人なんだぞぉ。それぞれの大陸の最高峰とそれを制覇した時の野口健さんの年(とし)をかいておくぞ。

写真提供:野口健

旧(きゅう)ヨーロッパ大陸・モンブラン【16才】

アフリカ大陸・キリマンジャロ【17才】

オーストラリア大陸・コウジスコ【19才】

南(みなみ)アメリカ・アコンガグア【19才】

北(きた)アメリカ大陸・マッキンリー【19才】

南極大陸(なんきょくたいりく)・ビンソン・マシフ【21才】

新(しん)ヨーロッパ大陸・エルブルース【22才】

こんなにすごい人なんだから、きっと学校(がっこう)でも優等生(ゆうとうせい)だったんじゃないかとみんな思うだろう?でも、じつはそうじゃないんだぞぉ。その反対(はんたい)で、問題児(もんだいじ)だったんだぞぉ。
野口健さんは、イギリスにある日本の私立高校(しりつこうこう)の1年生の時に上級生(じょうきゅうせい)をなぐってしまって、停学処分(ていがくしょぶん)をうけて日本に帰らされて(かえらされて)しまったんだ。
そんな時(とき)に故(こ)植村直己(うえむらなおみ)さんの書いた本(ほん)『青春を山に賭けて(せいしゅんをやまにかけて)』を読み、それが登山を始める(はじめる)きっかけになったんだぞぉ。
そういえば、この「冒険と腕時計」の第1回で登場(とうじょう)した大場満朗(おおばみつろう)さんも故植村直己さんを尊敬(そんけい)していたよなぁ。
1人のすばらしい冒険家が、多くの人にあたえる影響(えいきょう)というのは、ものすごい大きなものなんだなぁ。
先生もそんなふうになってみたいぞぉ。

その野口健さんは、今、山でそうなんして亡くなって(なくなって)しまったシェルパ(登山隊を助けて(たすけて)働く(はたらく)人々)の残された(のこされた)家族(かぞく)のために基金(ききん)をつくることや、登山隊が山にのこしていった多くのゴミをひろって、山をきれいにするという活動(かつどう)をしているんだぞぉ。

野口健さんは、山が自分(じぶん)の先生(せんせい)なのだから、その山が汚されて(よごされて)いくのにがまんができないといっているんだ。
この気持ち(きもち)はみんなもわかるよなぁ。
この野口健さんの活動は、みんなもCMで見ているよなぁ。

さて、ずいぶんと前置き(まえおき)が長く(ながく)なってしまったけれど、ランドマスターサガルマータの話をここでするぞぉ。
この腕時計は、野口健さんのサガルマータ(エベレスト)挑戦(ちょうせん)のために作られた(つくられた)スペシャルモデルなんだぞぉ。
見たところスペシャルモデルとはいってもなんとなく地味(じみ)な腕時計だけど、このようなデザインになったのには、きちんとわけがあるんだ。高い山の上では酸素(さんそ)が不足(ふそく)するために、いろいろなことを判断(はんだん)する能力(のうりょく)がにぶってしまうので、ひとめで時間とかが、わかるようになっているんだぞぉ。
さらに、24時間のめもりのついているベゼルは、サーメット・セラミックスでできていてキズがつきにくくなっているんだ。プロの使う道具(どうぐ)というのは、シンプルでじょうぶにできているんだよなぁ。


ということで、今回はここまで。
この「冒険と腕時計の話」は、次回(じかい)も続く(つづく)ぞぉ。
次回も楽しみにまっててくれよなぁ。
そうそう野口健さんについてもっといろいろと知りたい人は、ここを見てみるといいぞぉ。それじゃぁ、またなぁ。

写真提供/野口健 

2001年4月号