さて、みんなは「鶴(つる)は千年(せんねん)、亀(かめ)は万年(まんねん)」ということわざを知って(しって)いるか?
これは「長生き(ながいき)してめでたいこと」という意味(いみ)なんやけど、実際(じっさい)には鶴も亀もこんなに長生きするわけはないよな。鶴は大型(おおがた)のタンチョウヅルが20〜25年ぐらい。亀ではゾウガメは100年以上(いじょう)長生きするんやけど、どちらにしても千年にも、万年にもとてもとても及ばないよな。
もともと鶴と亀を長生きと繁栄(はんえい)の象徴(しょうちょう)としたのは古代中国(こだいちゅうごく)と古代朝鮮(こだいちょうせん)で、それが日本(にほん)に伝わり(つたわり)、日本人の生活(せいかつ)にことわざとして、その考え方(かんがえかた)が定着(ていちゃく)したと言われているんや。

今回(こんかい)はどうしてこんな話から始めた(はじめた)のかというと、この「鶴は千年、亀(かめ)は万年」ということわざから、生き物(いきもの)の寿命(じゅみょう)について話をしようと思ったからなんや。
さっきは鶴と亀の寿命について話したんやけど、その他(ほか)の生き物については、どうなってるんやろ?
代表的(だいひょうてき)な動物(どうぶつ)をあげてみるとこんなふうになるんや。

 ハツカネズミ /2〜3年

 





 
 

 モルモット /6〜7年

 カイウサギ /8〜9年

 リス /6〜15年

 イヌ /15〜20年

 ネコ /16〜18年

 アシカ/ 20〜30年

 クマ /25〜30年

 トラ /25〜35年

 チンパンジー/ 40〜50年 

 ゾウ /50〜60年

 ワニ/60〜100年

 ヒト/70〜90年

 コイ/15年〜150年


こうしてみると、ほ乳類(ほにゅうるい)もは虫類(はちゅうるい)もどんな長生き(ながいき)しても100年ぐらいなんや。それではこの地球上(ちきゅうじょう)で最も(もっとも)長生きする生き物(いきもの)はなんやろう?
それは植物(しょくぶつ)なんや。日本(にほん)の植物で長生きなのはクスノキ・イチイ・アカマツ・クロマツ・ヒノキなどで、寿命はだいたい1000年ぐらいなんや。日本でいちばん長生きしているのはスギで、みんなもよく知って(しって)いると思う(おもう)んやけど、鹿児島(かごしま)の屋久島(やくしま)の樹齢(じゅれい)7200年と言われる「縄文杉(じょうもんすぎ)」なんや。このスギは特別天然記念物(とくべつてんねんきねんぶつ)に指定(してい)されているし、屋久島全体(ぜんたい)は、その自然(しぜん)のすばらしさから、日本で初めて(はじめて)世界遺産(せかいいさん)として登録(とうろく)されたんや。
さらに世界に目を向けて(むけて)みると、日本のすぐ近く(ちかく)の台湾(たいわん)には、樹齢3000年ヒノキ科(か)のベニヒ、アメリカのカリフォルニアの樹齢3000〜5000年のセコイヤスギ。ちなみに同じ(おなじ)カリフォルニア州(しゅう)には、樹齢2000年高さ(たかさ)111.4メートルの世界一(せかいいち)高い木「トーレスト・ツリー」。根元(ねもと)の直径(ちょっけい)11.1メートルの世界一の巨木(きょぼく)「ジャイアントセコイヤ」もあるんや。さらに、アフリカには樹齢5000年のバオバブの木、カナリー諸島(しょとう)には樹齢7000年のリュウケツジュと、どれもこれもがすごい長生きだと感心(かんしん)してしまうなあ。
ほんまに。
けど、この世(よ)に生まれて(うまれて)きた以上(いじょう)、こんなに長生き(ながいき)している木たちにもいつか「死(し)」はおとずれるんや。それは生き物(いきもの)全て(すべて)の宿命(しゅくめい)なんや。だけど、その限られた(かぎられた)時間(じかん)の中で精一杯(せいいっぱい)やれることをやる、それが大切(たいせつ)なことやと先生(せんせい)は思う(おもう)んや。
みんなはどう思うかな?そんじゃ、またな。

 

   2002年1月号